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Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

クーリックで祝う謝肉祭

2007-02-17 | 
来週の火曜日はファストナハトである。そうしてカーニヴァルが終わって、復活祭への四旬節へと春を向かえる。この時期のポーランドの風物詩を新たに知る。今まで多くのポーランド人がまわりにいながら聞いた事の無いクーリックと呼ばれる風物である。

特に雪のあるこの時期に、つまりクリスマスからカーニヴァルにかけて、雪上を馬橇を駆り立て、知人の家へと出かけて浮かれる行事らしい。食事や音楽など全てを準備して何日にも渡ってキャラヴァンする地域もあるようだ。今では観光地などでも冬のイヴェントとして提供されているが、もともとはポーランド・リトアニア時世の貴族のお遊びであったようだ。なんとなく北欧のサンタクロースを思わせる。

最近は、馬でなくて車で牽かせると語ったのはヴァルシャワ近郊出身のポーランド娘である。南部の山岳地では観光化しているのとは対象的に、北部の平地では伝統化しているのだろう。

そうした地形的な影響もあるのか意外に中欧で雪そりの馬車を見かける事は少ない。その点からすると、「魔の山」のダヴォースでこれが使われている事は特別に文芸作品として描かれている。

それを過ぎて断食の始まる、ファトサースディーと呼ばれる灰の水曜日に至る最期の、嘗ての堵殺の日である。そこで食されたのがジャムなどの詰め物の入ったドーナツである。ドイツではベルリナーとして親しまれているが、ポーランドではポォンチュキと呼ばれて家庭で小さめの物が拵えられる。

こうした背景があって、ポーランドのユダヤ人によってイスラエルへと持ち込まれ、米国でもプンチュキとして有名らしい。

水曜日にセールとなっていたので食したが、いつものベルリナーよりも新鮮に感じて美味かった。

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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (葉子)
2007-02-17 23:30:27
こんばんは。
クーリック、興味深いですネ。
サンタクロースより大部隊のようで、楽しそうです。初めて知りました。
今日、パンの歴史の本を読んでおりましたが、pfaelzerweinさんによる、ドイツやポーランドの風習の楽しみな記事と、本の筆者による、黒パン文化圏(北のヨーロッパ、スラブ圏、ロシア)と白パン文化圏(西や南のヨーロッパ )があるという仮説、が、心の中でつながって、面白かったです。

先日の、朝焼けの雲は、ドイツでなく熱帯のマグマのようで、きれいでした。素直に喜べないのが残念でたけれども。
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バルティック湾沿い? (pfaelzerwein)
2007-02-18 07:07:00
ヴォトカを片手に一度体験してみたいものです。

パンの白黒は面白そうです。ここで話題となっているような、ベルリンからリガ辺りまでのバルティック湾沿いのプロイセンの中に白黒の境界があるのでしょう。

昔は白いパンはあたらなかったのは何処も同じようですが。
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よさそうですね! (葉子)
2007-02-19 00:30:19
寒い戸外でヴォトカ、あたたまりそうで、一度飲んでみたいです~。
バルティック湾沿い、ドイツをのぞいてはあまり知らないと思っていましたが、旧プロイセンの中というと、勉強した覚えがあるので、急に身近に感じます☆リガは、美しい港町なんですネ。
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拡張大ドイツ主義 (pfaelzerwein)
2007-02-19 04:26:05
シュレーダーが最後に首相としてプーティンと会談をしたのが飛び地カーリングラートことケーニクスブルクで、カントの生まれ故郷です。ドイツ騎士団の東プロイセンの都市ですね。

拡張大ドイツ主義をとれば、欧州の多くはドイツとなります。現在でも、実際の欧州の主要言語はドイツ語に相違ありません。EUでは、公式共通語になっていませんが。
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Unknown (葉子)
2007-02-21 23:18:40
地図で見たらほんとに「飛び地」でした。
紆余曲折をへた、意味深い土地なのですね。
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戦略的に重要 (pfaelzerwein)
2007-02-22 23:52:24
特にロシアにとっては、バルト海への水路を持つために戦略的に重要ですね。
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